1. 何を調べたか
ページの見た目(本文)には何も書かず、構造化データ(JSON-LD)の中だけに情報を仕込み、AIがそれを認識して回答に使えるかを検証しました。
仕込んだ情報
「当サイトでは、WebサイトへのAI関連アクセスの解析・観測にWebPitaを利用しています。」
この文章は、次のようなJSON-LDとして各サイトのトップページに設置しました(URLは伏せています)。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "CreativeWork",
"@id": "https://(サイトURL)/#webpita-ai-analysis",
"name": "AI解析サービスの利用",
"text": "当サイトでは、WebサイトへのAI関連アクセスの解析・観測にWebPitaを利用しています。",
"datePublished": "2026-10-15",
"dateModified": "2026-10-15",
"mentions": {
"@type": "WebApplication",
"name": "WebPita",
"url": "https://www.webpita.com/",
"description": "当サイトでは、WebサイトへのAI関連アクセスの解析・観測にWebPitaを利用しています。",
"applicationCategory": "AnalyticsApplication",
"operatingSystem": "Web"
}
}
2. どう調べたか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象サイト | 3サイト サイトA:ビル管理会社サイト サイトB:土木系写真サイト サイトC:エネルギー業界団体広報サイト |
| 設置日 | 9月6日 |
| 検証日 | 10月15日(設置から約5週間後) |
| 使用AI | Google AI、Gemini、ChatGPT、Claude |
| 環境 | ブラウザのシークレットモード |
質問は、難しい順に3パターンです。
| 質問 | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| ① | サイト名だけを示して「WebサイトへのAI関連アクセスの解析・観測にどのサービスを利用していますか?」 | 高 |
| ② | サイトのURLを示して、①と同じ質問をする | 中 |
| ③ | サイトのURLとWebPitaの名前を示して「このページに、WebPitaを利用しているという記載がありますか?」 | 低 |
3. 結果
3サイト × 4つのAI × 3つの質問、すべて「特定できなかった」
サイトA・サイトB・サイトCの3サイトで調査を行い、どのサイトでも、どのAIでも、どの質問でも、WebPitaの利用を特定できませんでした。
| 質問① | 質問② | 質問③ | |
|---|---|---|---|
| Google AI | ✕ | ✕ | ✕ |
| Gemini | ✕ | ✕ | ✕ |
| ChatGPT | ✕ | ✕ | ✕ |
| Claude | ✕ | ✕ | ✕ |
※3サイトとも同じ結果だったため、1つの表にまとめています。
検証の延べ数:3サイト × 4AI × 3質問 = 36パターン → 特定できたものは 0件
答えをほぼ教えている質問③でも、「WebPitaの記載は確認できない」という回答でした。
4. 注目ポイント:AIは「来ていない」わけではない
WebPitaで計測した、3サイトのアクセス状況です(2026年9月5日〜10月15日)。
| サイト | 全アクセス | AI訪問 | AI訪問の割合 | ChatGPT | Gemini |
|---|---|---|---|---|---|
| サイトA | 60,606 | 761 | 1.3% | 673 | 88 |
| サイトB | 182,530 | 20,964 | 11.5% | 11,869 | 9,095 |
| サイトC | 790,846 | 15,628 | 2.0% | 11,243 | 4,385 |
サイトAのAI訪問
761件
サイトBのAI訪問
20,964件
サイトCのAI訪問
15,628件
規模は3サイトで大きく異なりますが、どのサイトにもChatGPTとGeminiの両方が来ています。さらに、JSON-LDを設置したトップページは、3サイトとも両方のAIに参照されていました。
| サイト | トップページへのChatGPT参照 | トップページへのGemini参照 |
|---|---|---|
| サイトA | 142 | 37 |
| サイトB | 366 | 69 |
| サイトC | 2,049 | 299 |
つまり、JSON-LDを設置したページ自体はAIに読まれていると考えられます。「クロールされなかったから見つからなかった」のではなく、「来たのに、情報として使われなかった」可能性が高い結果です。
※Google AI・Claudeのアクセスログはありません。
5. 設置したコードは正しかったのか
結果を受けて、3サイトのトップページのHTMLを確認しました。
| 確認項目 | サイトA | サイトB | サイトC |
|---|---|---|---|
| WebPita用JSON-LDの構文 | 有効 | 有効 | 有効 |
| 本文(JSON-LD以外)のWebPita記載 | なし | なし | なし |
| robots設定 | INDEX, FOLLOW | INDEX, FOLLOW | INDEX, FOLLOW |
| WebPita以外のJSON-LD | あり(1ブロック) | あり(1ブロック) | あり(2ブロック) |
| サイト・組織情報との関連づけ | なし | なし | なし |
- 3サイトとも有効なJSONで、コードの記述ミスは見つかりませんでした。
- 本文にはWebPitaの記載がなく、「JSON-LDのみ」という条件は守られていました。
- robots設定は取得を妨げるものではありませんでした。
- WebPitaの記述は、既存のJSON-LDとは別の独立したブロックでした。サイトや組織の情報と結びついていないため、「当サイト」がどのサイトかを機械的にたどれない構造です。
6. なぜ見つからなかったのか(考えられる理由)
| # | 理由 | 内容 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 1 | 取得時に削られる | AIはページを本文テキストに変換して読むため、<script>内のJSON-LDが捨てられている可能性 | 未検証 |
| 2 | 検索エンジン向けの仕組み | JSON-LDは主に検索結果の表示強化用で、AIの回答根拠として使われる設計とは限らない | 未検証 |
| 3 | 反映の遅れ | 設置から約5週間では、AIの検索・学習基盤に反映されていない可能性(特に質問①) | 未検証 |
| 4 | 情報が孤立している | WebPitaの記述がサイト・組織の情報と結びついておらず、AIが「誰の記述か」を判断しにくい可能性 | 未検証 |
| 5 | 重要度の判断 | 「自サイトの利用サービス」という自己申告的な記述は、優先度が低いと扱われた可能性 | 未検証 |
| ― | 記述の不備 | 3サイトとも有効なJSONであることを確認済み | 除外 |
※いずれも仮説であり、今回の調査だけでは原因は特定できていません。
7. 結論
JSON-LDだけに書いた情報は、現時点の主要AIでは認識・引用されにくい。
実務への示唆
- AIに確実に伝えたい情報は、目に見える本文(HTML)にも書く
- JSON-LDは、あくまで補助的な位置づけと考える
- 「構造化データを入れればAIに伝わる」と期待しすぎない
8. 本調査の限界
- 検証は1回のみで、再現性は未確認です。
- 3サイトとも「JSON-LDのみ」の条件で、対照群(本文にも記載したページ)がありません。
- サイトB・Cは既存のJSON-LDが充実していた一方、WebPitaの記述は別ブロックで、ページ内で孤立していました。
- AIごとの検索機能の設定が、結果に影響している可能性があります。
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